なぜダイエット開始時には運動を取り入れる必要がないのか
ダイエットの定義は、みなさんご存知のとおり
食事の量を制限し、エクササイズや運動して減量すること。
です。
だから、ダイエットを開始するときに、運動と食事制限を一度に行えればいいのですが、多くの人はまずは運動。
といってウォーキングやジョギング、もしくはジムに入会してダイエットを始めることが多いのではないでしょうか。
食事と運動の両輪のうち、片方の運動を取り入れられたらいとも簡単に痩せると思い込んでいませんか?
確かに運動を取り入れることで消費エネルギーは増えて、痩せやすくなります。
でも、運動してもなかなか痩せないことをあまり認識できていない人が多いのです。
なぜなら、運動を取り入れると、肥満の人では食欲が抑えられないことがわかっているからです。
いくつかの研究では、運動は食欲を減らす影響があることが示唆されていますが、肥満でない若年者を対象とした研究が多く、また、肥満女性においては、食欲が減る影響がみられないという研究結果もあります。
運動習慣を取り入れている健康な人では、運動をしても過食に走ることは少なく節制できているのですが、肥満の人は運動したのだから食べても大丈夫というような心理も働きやすくなります。
みなさんも経験があると思いますが運動した後のゴハンやビールは格別においしいですよね!?あれも運動後のエネルギー摂取を促す体の仕組みの一つと考えられます。
するとどうでしょう?
運動したら痩せると思って始めたものの、なかなか体重が減らないことに気づき始めると思います。
それもそのはずです。運動によって消費エネルギーを増やした分、摂取エネルギーも増えているのですから、思うように痩せていかないのです。
では、思い通りに痩せるにはどうすればいいでしょうか?
冒頭にも記載した、ダイエットの定義からもわかるように、食事をコントロールすることが必要になるのです。
先ほどのエネルギー消費とエネルギー摂取の話に置き換えると、食事のコントロールは摂取エネルギーを減らすことになるのです。
ダイエットというものは、消費エネルギーを増やして、摂取エネルギーを減らすことでようやく成立するのです。
また、食欲のコントロール以外にも、運動には以下のような弊害もあります。
- 運動の時間を新たに作らないといけない
- シューズやウェアなどにお金をかける必要がある
- 体型を崩す原因になる
- 怪我のリスクがある
だから、ダイエット開始時には進んで運動を取り入れません。
また、食事に併せて運動もとなると、管理する対象が増えてなかなか一度にうまく組み合わせて行うことが難しくなります。
したがって食事を整え、体重を落としてからシェイプアップと健康づくりのために運動を取り入れていけばいいのです。
運動はしてもいいのですが、誰それ構わず、
「ダイエット始めましょう、さあ食事と運動をきっちり管理しましょう!」
とスタートしてしまうと、そもそもダイエット開始のハードルが一気に上がります。
そして、リバウンドのリスクが増します。
そもそも、今の生活にさらに運動を盛り込む時間的な余裕はありますか?
例えば、ジムに通うとしても、移動時間往復1時間、ジムでトレーニングと着替えとシャワーで2時間。
1回3時間、それを週に1回捻出できる時間的な余裕はありますか?
だ無理やり運動しなくても痩せるわけですから、運動はオプションにすればいいんです。
ダイエットを勧める側は
そもそも、ダイエットサービスを提供する人たちの大半が、ワークアウト系の人たちなので、どうしても運動しないわけにはいきません。
さらに、運動しても、食事を整えないとそもそも痩せないわけですから、食事+運動の構図が出来上がるわけです。
あるダイエットサービスは2カ月16回ジム通いして、とても手間がかかるので、2カ月間で348,000円もするわけです。
でも、そのやり方にいまいちしっくりこない人は、2カ月の効果はあまり上がりませんし、頑張って2カ月やり通したとしても、その後リバウンドしてしまうんです。
だから、ダイエットは運動から入る必要は全然ありませんし、運動から始める場合は必ず食事コントロールもついて回ります。
食事コントロールはダイエットの宿命です。
どうせ避けられないのであれば、少しずつ、できるところから食事をうまくコントロールしていけばいいわけです。
痩せたら、いろいろとやりたいことも出てきますので、その意欲を利用して走るなり、泳ぐなり、ジムに通えばいいのです。
神村眞 Shin Kamimura
食を極めたダイエットコーチ
15年以上の薬剤師、医薬品開発、8年間のトライアスリート経験から得られた医学・栄養学・スポーツ科学の専門知識を用いて分子、細胞、遺伝子レベルで代謝をコントロールする科学的なダイエットメソッドを確立。
これまで経営者、個人事業主、モデル、タレント、アーティスト、アスリートをはじめ、100人以上にダイエットまたはアンチエイジングメソッドを指導し、成功に導いてきた経験を持つ。年間セッション回数は100回を超える。